万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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千鳥鳴く佐保の河瀬(かはせ)のさざれ波止(や)む時もなしわが恋ふらくは
巻四(五二六)
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千鳥が鳴く佐保の川の瀬のさざれ波のように止む時もありません。私の恋心は…
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この歌も先の巻四(五二五)の歌と同じく、大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)が藤原麿(ふじはらのまろ)の巻四(五二二)の歌などに答えて贈った四首の返歌の内のひとつ。
「千鳥が鳴く佐保の川の瀬のさざれ波のように止む時もありません。私の恋心は…」と、佐保川のさざれ波のようにつぎつぎと押し寄せて来る麿への恋心を詠って素敵な一首ですよね。
佐保川を渡ってやってくる藤原麿の姿を思って心焦がれる坂上郎女の心情がそのまま言葉となったような、そんな魅力を感じさせてくれる一首のように思います。
佐保川のさざれ波。
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万葉集巻四
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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