万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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来(こ)むといふも来(こ)ぬ時あるを来(こ)じといふを来(こ)むとは待たじ来(こ)じといふものを

巻四(五二七)
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来れるだろうと言っても来ないときがあるのに、来れないというのを来るだろうかなどと思って待ったりはしません。来れないと言っているのに…
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この歌も先の巻四(五二五)の歌と同じく、大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)が藤原麿(ふじはらのまろ)の巻四(五二二)の歌などに答えて贈った四首の返歌の内のひとつ。
どちらかというと「こ」の音を重ねた「調べ(リズム)」を楽しむための戯れ歌として詠まれたものですが、「今夜は来れるだろうと言っていても来ないときがあるのに、来れないというのを来るだろうかなどと思って待ったりはしません。来れないと言っているのに…」と、男を待つ身の女心の切なさも詠って素敵な一首ですよね。
「来れないというのを来るだろうかなどと思って待ったりはしません。来れないと言っているのに…」とは、つまりはこれは逆の意味で、「今夜は来れないと言われても来てくれるのではないかとついつい待ってしまいます」との思いが込められているわけです。

戯れ歌の中に虚実を織り交ぜて詠った、坂上郎女らしい魅力の一首といえますね。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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