万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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暇無(いとまな)く人の眉根(まゆね)をいたづらに掻(か)かしめつつも逢はぬ妹かも

巻四(五六二)
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暇なく私の眉を何度も掻かせて期待させながら、逢うことの出来ないあなただなあ。
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この歌も巻四(五五九)の歌などと同じく、大宰を府大監(だざいのだいげん)の大伴宿禰百代(おおともすくねももよ)が詠んだ四首の恋歌の内のひとつ。
「眉を掻く」とはこの時代、眉が痒くなるのは愛しい人に逢える前兆だとする俗信があったようです。
そんな「暇なく私の眉を何度も掻かせて期待させながら、逢うことの出来ないあなただなあ。」と、眉を何度も掻かせておきながらいっこうに逢える気配のない想い人に対する切ない思いがよく表れている一首ですよね。
まあ、当てにならない俗信だと思ってはいても、期待せずにはいられないのが恋というものなのでしょう。

以上、大伴百代の恋の歌四首でした。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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