万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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月夜(つくよ)よし河音清(かはとさや)けしいざここに行(ゆ)くも去(ゆ)かぬも遊びて帰(ゆ)かむ

右の一首は、防人佑(さきもりのすけ)大伴四綱(よつな)

巻四(五七一)
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月の美しい夜。川音もさやかだ。さあ、ここで都へ帰る者も残る者も共に遊んで行こう。
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この歌も巻四(五六八)の歌などと同じく、大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)が大納言に任じられて奈良の都へ帰るときに、筑前国(つくしのみちのくのくに)の蘆城(あしき)の駅家(うまや)にて餞別の宴の席で詠まれた四首の歌のうちのひとつ。
作者は大伴四綱(おほとものよつな)となっています。
「行(ゆ)く」、「去(ゆ)く」、「帰(ゆ)く」と、用字を異にしながら、「ゆく」の音で整えた「調べ(リズム)」の美しい一首ですよね。

この餞別の宴が行われたのは実際に月の綺麗な夜だったのでしょう。
「月の美しい夜。川音もさやかだ。さあ、ここで都へ帰る者も残る者も共に遊んで行こう。」とは、別れの夜をともに後悔のないように過ごそうとの、この場の皆の思いだったのではないでしょうか。
こうして大伴旅人は多くの友に見送られながら、筑紫の地から奈良の都へと帰って行きました。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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