万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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白鳥(しらとり)の鳥羽山松(とばやままつ)の待ちつつそわが恋ひわたるこの月ごろを

巻四(五八八)
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白鳥の飛ぶ鳥羽山の松のように待つづけています。私はあなたを恋しく思いながら、この月日を。
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この歌も先の巻四(五八七)の歌と同じく、笠女郎(かさのいらつめ)が大伴家持(おほとものやかもち)に贈った二十四首の相聞歌のうちの一首。
「白鳥の」は「鳥羽山」にかかる枕詞。
鳥羽山の所在は不明です。

そんな「鳥羽山の松のように待つづけています。私はあなたを恋しく思いながら、この月日を。」と、「松(まつ)」から同じ響きを持つ「待つ(まつ)」を引き出して家持の来てくれるのを恋しく思って待っている女心の切なさを詠ったわけですね。
「恋ひわたる」に白鳥が鳥羽山の空を渡る姿も連想させて美しい一首にもなっています。
まあ、「松(まつ)」で「待つ(まつ)」というのは常套的な表現ですが、あるいは鳥羽山は家持と笠女郎にとってなんらかの思い出のある場所であったのかも知れませんね。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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