万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
恋にもそ人は死にする水無瀬河(みなせがわ)下ゆわれ痩(や)す月(つき)に日(ひ)に異(け)に
巻四(五九八)
----------------------------------------------
恋にこそ人は死にます。水の無い川の地下を流れる水のように人目に付かず私は痩せていきます。月日の経つごとに。
----------------------------------------------
この歌も巻四(五八七)などの歌と同じく、笠女郎(かさのいらつめ)が大伴家持(おほとものやかもち)に贈った二十四首の相聞歌のうちの一首。
「水無河(みなせがわ)」はその名の通り水の無い川ですが、水の無い川は地下に水が流れていることから、人目に付かず恋に痩せて行く自身を譬えた言葉。
恋に痩せて行くとは現代人にも共通の意識ですが、笠女郎のいた万葉の時代から人は恋に痩せる苦しさを経験していたのですね。
おそらくは歌の上の大げさな表現ではなく、実際に笠女郎は家持への切ない思いに食も喉を通らず痩せて行く日々を送っていたのではないでしょうか。
それほどまでに家持を愛しく思うほど、かつて家持と逢瀬を過ごしたわずかな時間が幸せなものだったのでしょうね。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販