万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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情(こころ)ゆも我(あ)は思(も)はざりきまたさらにわが故郷(ふるさと)に還(かへ)り来(こ)むとは

巻四(六〇九)
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心からわたしは思ってもみませんでした。虚しくまた故郷に帰って来ようとは。
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この歌も巻四(五八七)などの歌と同じく、笠女郎(かさのいらつめ)が大伴家持(おほとものやかもち)に贈った二十四首の相聞歌のうちの一首。
どうやら家持に逢いに平城京の佐保山まで出向いていた笠女郎も、家持の心変りを知って虚しく明日香の打廻の里に帰って来たようですね。
この歌は別れの後に贈った最後の恨み節といったところでしょうか。
「情ゆも我は思はざりき」に、家持と結ばれるだろうと信じ切っていた笠女郎の哀しい思いがすべて込められているようなそんな気さえします。

まあ、この時代の男女の関係は現代よりも淡白なところもあって、夫婦と呼べるような関係になった後ですら簡単に別れてしまうことも多かったようなのでこの二人の関係もそう珍しいものではなかったのかも知れませんが、それにしても家持への一途な思いが無残に砕かれた笠女郎には同情したくなるものがあります。

それにしても、家持が笠女郎のこれらの歌を手もとに残しておいて万葉集に集録したのは、どのような心理だったのでしょうね。
せめて家持にも笠女郎への愛情はあったのに、別れなばならない何らかの事情が存在したと信じたいところです。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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