万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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反歌
初めより長くいひつつたのめずはかかる思(おもひ)に逢はましものか
巻四(六二〇)
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最初から末永くなどと言ってあてにさせなければ、わたしはこんな辛い思いをしなくてもすんだのに…
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この歌も大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)が詠んだ恋の怨恨(うらみ)の一首で、先の巻四(六一九)の長歌につけられた反歌。
「最初から末永くなどと言ってあてにさせなければ、わたしはこんな辛い思いをしなくてもすんだのに…」と、途中で心変りしてしまうなら最初から末永くなどと言わないでほしかったとの恨み言の一首となっています。
一応、この歌も長歌と同じく「怨恨(うらみ)の歌」との題で詠まれた題詠歌ですが、創作歌にしてはどこか本気の恨み節にも取れる迫真さも感じられますよね。
あるいは、やはり坂上郎女の実際の過去の恋愛が下地になっているのでしょうか。
どんなに愛を誓っても、心変りしてしまうこともある恋愛の哀しさを表現した切ない恨み言の一首です。
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万葉集巻四
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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