万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
佐伯宿禰赤麿の歌一首
初花(はつはな)の散るべきものを人言(ひとごと)の繁きによりてよどむころかも
巻四(六三〇)
-----------------------------------------------
初々しい花もいまはもう散りそうだというのに、人の噂がうるさくて逢いに行くのを躊躇っています。
-----------------------------------------------
この歌は佐伯赤麿(さへきのあかまろ)が詠んだ恋歌。
佐伯赤麿といえばこの歌のすぐ前に娘子(をとめ)と交した巻四(六二七)などの相聞歌がありますが、この歌もまたあの娘子を思っての一首でしょうか。
「初々しい花もいまはもう散りそうだというのに、人の噂がうるさくて逢いに行くのを躊躇っています。」と相手の女性を花に譬えて、初々しかったあの女性ももう誰かの妻になってもおかしくない年頃になった、と詠っています。
下の句については何度か逢瀬を重ねたことがあるような表現ですが、あるいは相手を口説きに行くことをこう表現したのかも。
佐伯赤麿の恋歌についてはどうとでも解釈できる表現の曖昧さで判断が難しいのですが、この歌も巻四(六二七)の歌などの娘子を詠った一連のものだとするならこの期に及んでもまだ未練を持って、なおかつ周りの噂を気にして口説きにも行けない駄目男っぷりを見せていることになりそうです。
でもこういう男性って意外に世に多いような気もしますよね。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販