万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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娘子(をとめ)の佐伯宿禰赤麿(さへきのすくねあかまろ)に報(こた)へ贈れる歌一首

わが袂(たもと)まかむと思はむ丈夫(ますらを)は変水(をちみず)求め白髪生(しらがお)ひにたり

巻四(六二七)
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私の袂を枕に寝たいと言われる男性は若返りの薬を求めてさ迷い、すっかり白髪になってしまわれたのですね。
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この歌は佐伯宿禰赤麿(さへきのすくねあかまろ)が贈った歌に娘子(をとめ)が答えた一首。
佐伯赤麿が先に贈った歌は万葉集に収録されていないのか不明です。
「変水(をちみず)」とは、伝説上の若返りの水のこと。

佐伯赤麿と娘子と言うと、巻三(四〇四)などの相聞歌がありますが、おそらくこれらの歌の娘子は同一人物なのでしょうね。

巻三(四〇五) や 巻三(四〇六)の歌などで佐伯赤麿に愛想を尽かした娘子ですが、その後しばらくしてまた佐伯赤麿が声をかけたのでしょうか。
今ごろになってまた声をかけて来た赤麿に対して「私の袂を枕に寝たいと言われる男性は若返りの薬を求めてさ迷っている間に、すっかり白髪になってしまわれたのですね。」と、皮肉を込めて赤麿の白髪を揶揄しています。
おそらくは、以前に声をかけてこられたときにもっと強く迫ってくれれば受け入れもしたのに…との、非難の気持ちもあったのではないでしょうか。

そんな女心を読み違えた佐伯赤麿に対する痛烈な皮肉の一首となっています。


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万葉集巻四


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県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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