万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大伴坂上郎女の歌一首

夏葛(くず)の絶えぬ使のよどめれば事しもあるごと思ひつるかも

右、坂上郎女は、佐保大納言卿(のまへつきみ)の女(むすめ)なり。駿河麿は、この高市大卿(たけちのおほまへつきみ)の孫なり。両卿は兄弟の家、女孫は姑姪(をばをひ)の族(うから)なり。ここを以(も)ちて、歌を題(しる)し送り答へ、起居を相問(あひと)へり。

巻四(六四九)
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夏葛のように長く絶えなかったあなたの使者がとどこおっていたので、何事かでもあったかと心配していました。
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この歌も大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)が詠んだ相聞歌。
大伴宿禰駿河麿(おほとものすくねするがまろ)が贈った先の巻四(六四八)の歌への返歌であり、「夏葛のように長く絶えなかったあなたの使者がとどこおっていたので、何事かでもあったかと心配していました。」と、こちらも恋の戯れ歌だった巻四(六四七)の歌から一転して真面目に近況の挨拶に答えています。

左注によると駿河麿は坂上郎女の甥(従甥?)であり、また坂上郎女の娘の二嬢(おとをとめ)を妻にしたとも云われていますが、これらの歌からもこの二人は以前からずいぶん親しい関係であったようですね。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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