万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

スポンサード リンク


玉主(たまもり)に玉は授(さづ)けてかつがつも枕とわれはいざ二人寝(ふたりね)む

巻四(六五二)
----------------------------------------------
玉の番人に玉を授けてともかくもわたしは枕と二人で寝るとしましょう。
----------------------------------------------

この歌も先の巻四(六五二)の歌と同じく、大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)が詠んだ相聞歌。
「玉」は宝の玉のことで、この場合は自身の娘である二嬢(おとをとめ)をこう譬えたのでしょうか。
だとすると「玉主(たまもり)」は二嬢の夫である大伴宿禰駿河麿(おほとものすくねするがまろ)のことで、「駿河麿に娘を授けてともかくもわたしは枕と二人で寝るとしましょう。」といった感じの意味になりそうです。

おそらくは先の巻四(六五二)の歌で娘婿である駿河麿に「そろそろ二嬢の待つ家に帰ってあげなさいな」と帰宅をすすめた後、さらにこの歌を詠って別れの挨拶としたのでしょう。
一家の主婦である刀自(とじ)として大伴家を支えてきた坂上郎女らしい、娘夫婦を気にかけた気配りが感じられる一首ですね。


スポンサード リンク


関連記事
万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

万葉集入門(トップページ)へ戻る

当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)


スポンサード リンク


欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中

Amazon.co.jp - 通販