万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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海(わた)の底奥(そこおき)を深めてわが思(も)へる君には逢はむ年は経(へ)ぬとも
巻四(六七六)
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海の底のように奥深く私が慕うあなたにいつか必ず逢おう。どんなに年を経ても…
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この歌も先の巻四(六七五)の歌と同じく、中臣女郎(なかとみのいらつめ)が大伴宿禰家持(やかもち)に贈った五首の恋歌のうちの一首。
中臣女郎の贈ったこれらの歌はどこか片思い的な内容に感じられるものばかりなのですが、どうやらこの時期、家持と逢えない時間が長く続いていたようですね。
それでも中臣女郎の家持への思いは変わることなく、むしろ逢えない時間が続くほどにその恋心は海のように深いものへとなっていったようです。
「海の底のように奥深く私が慕うあなたにいつか必ず逢おう。どんなに年を経ても…」との、覚悟とも祈りとも言える思いはそんな家持への恋心の深さの表れなのでしょう。
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万葉集巻四
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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