万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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海山(うみやま)も隔(へだ)たらなくに何しかも目言(めこと)をだにもここだ乏(とも)しき

巻四(六八九)
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海や山が隔てているというわけでもないのに何故にお逢いして言葉を交わすことのこんなにも少ないのでしょう。
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この歌も巻四(六八三)の歌などと同じく、大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)が詠んだ七首の恋歌のうちのひとつ。
「目言(めこと)」は逢って言葉を交わすこと。
「海や山が隔てているというわけでもないのに何故にお逢いして言葉を交わすことのこんなにも少ないのでしょう。」との、思うように逢瀬を重ねられないもどかしさと寂しさを詠った一首となっています。

恋愛に比較的オープンな現在人でも仕事の都合や様々な理由で思うように恋人と逢えないこともあるかと思いますが、人の目を忍んで逢わなければいけなかった万葉人たちもいつでも自由に逢えるというわけにはいかなかったのでしょうね。
毎日でも逢いたいと思うほどの激しい恋をしていればなおさら、恋人と逢えない時間が途方もなく長くもどかしいものに感じられたことでしょう。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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