万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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栲繩(たくなは)の永(なが)き命(いのち)を欲(ほ)りしくは絶(た)えずて人を見まく欲りこそ

巻四(七〇四)
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栲の縄のように永い命をと欲したのはたえずあなたを見たいと思えばこそです。
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この歌も先の巻四(七〇三)の歌と同じく、巫部麻蘇娘子(かむなぎべのまそのをとめ)が詠んだ恋歌二首のうちのひとつ。
「栲繩」は布で出来た縄で、ここでは長いものの譬えとして使われています。
そんな「栲の縄のように永い命をと欲したのはたえずあなたを見たいと思えばこそです。」と、いつまでも恋しい想い人を側にいて見つめていたいとの切ない恋心の一首ですね。
逆に言えば、愛しい相手が側にいてくれない世界で自分だけ長く生きても意味がないとの現在の孤独な心情を詠った一首とも言えるでしょうか。

この世のすべての価値観が愛しい恋人を中心に存在しているのだという心情は、われわれ現在人にも十分に共感できるものですよね。
以上、巫部麻蘇娘子の二首の恋歌でした。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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