万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大伴宿禰家持の娘子に贈れる歌七首

情(こころ)には思ひ渡(わた)れど縁(よし)を無(な)み外(よそ)のみにして嘆(なげき)そわがする

巻四(七一四)
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心の中で長く思っているけれど逢う術もなく外からばかり嘆いている私です。
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この歌は大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)が娘子(をとめ)に贈った七首の恋歌のうちの一首。
この娘子も、おそらくは巻四(六九一) や 巻四(七〇〇)の娘子と同じ人物かと思われます。
笠女郎などのたくさんの女性から言い寄られることの多かった家持も、この娘子の心だけは思い通りにはならなかったようですね。
この歌でも、娘子に心の中で思いを寄せ続けているのに、実際には逢うことも出来ないで外に嘆いている切なさを訴えています。

娘子に恋焦がれる自身の「心の内」と、娘子に相手にされない蚊帳の「外」を対比的に詠っていますが、あるいは娘子にとっては家持のことなど意識の外なのだと気づきながらもそれを信じたくない家持だったのかも知れませんね。
いつの世も、恋とは簡単には思い通りに行かないものなのでしょう。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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