万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
千鳥(ちどり)鳴く佐保(さほ)の河門(かはと)の清き瀬を馬うち渡し何時(いつ)か通(かよ)はむ
巻四(七一五)
--------------------------------------------
千鳥鳴く佐保川の渡しの清き瀬を馬を渡していつか通いたいものだ。
--------------------------------------------
この歌も先の巻四(七一四)の歌と同じく、大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)が娘子(をとめ)に贈った七首の恋歌のうちのひとつ。
「千鳥鳴く佐保川の渡しの清き瀬を馬を渡していつか通いたいものだ。」と、いつの日か娘子に受け入れられて彼女のもとに通える日が来てほしいとの願いの一首ですね。
この時代の逢瀬は夜の人目に付かない時間帯に、男が女の家に通って逢うのが一般的な形でした。
それゆえに家持もいつかそのように佐保川を渡って娘子の家に通える日が来るのを願ったわけですね。
思いを寄せる相手といつか逢瀬を重ねられる日が来るのを想像していっときの慰めとする気持ちは、今も昔も変わらないものなのでしょう。
奈良市法連立花町、夢窓庵の入り口前にあるこの歌の歌碑。
奈良市法連立花町を流れる佐保川。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販