万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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つれも無くあるらむ人を片思(かたもひ)にわれし思へば侘(わび)しくもあるか
巻四(七一七)
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私のことなど眼中にもない人を、片思いに私だけが恋しく思うのは侘しいことだなあ。
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この歌も巻四(七一四)の歌などと同じく、大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)が娘子(をとめ)に贈った七首の恋歌のうちの一首。
どんなに恋しく思っても逢ってもくれない娘子に対して、片思いの侘しさを訴える内容となっています。
こんなにつれなくされてはもはやこの恋が成就することなどないだろうと家持も頭では理解しながらも、それでももしかしたらとの期待を捨てきれないでいるのでしょうか。
あるいは思い通りに行かない恋だからこそ人は余計にその恋の炎を燃やしてしまうのかも知れませんね。
家持の娘子への片思いの炎はまだしばらく消えるようなことはなさそうです。
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万葉集巻四
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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