万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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反歌

朝髪の思ひ乱れてかくばかり汝姉(なね)が恋ふれそ夢に見えける

右の歌は、大嬢の進(たてまつ)る歌に報(こた)へ賜へり。

巻四(七二四)
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あなたが朝髪の乱れるようにこんなにも心乱れて思うからでしょう、夢にあなたの姿が見えましたよ。
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この歌も大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)が娘の大嬢(おほをとめ)に贈った一首で、先の巻四(七二三)の長歌に付けられた反歌。
左注によるとこれらの歌は、この時ひとり家を離れて所有の田地である跡見庄(とみのしたどころ)に居た坂上郎女に大嬢が贈った歌への返歌のようですね。
上の句はおそらく大嬢の歌の内容をもとにしたのでしょう。

この時代、夢に人が現れるのはその人が自分のことを深く思っている証だと信じられていました。
それゆえに坂上郎女の夢の中に現れた大嬢に対して、「あなたが朝髪の乱れるようにこんなにも心乱れて思うからでしょう、夢にあなたの姿が見えましたよ。」と、夢で自分のことを思ってくれている愛しい娘に逢えた喜びを伝えたわけですね。

この反歌も、長歌と同じく深い親子愛が感じられる一首のように思います。


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万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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