万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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わが名はも千名(ちな)の五百名(いほな)に立ちぬとも君が名立たば惜(を)しみこそ泣け
巻四(七三一)
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私の恋の浮名はいくら立ってもかまいませんが、あなたの浮名が立つのは悔しくて仕方がありません。
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この歌も巻四(七二九)の歌などと同じく、大伴坂上大嬢(おほとものさかのうへのおほをとめ)が大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)に贈った三首の恋歌のうちの一首。
巻四(七三〇)の歌で、逢瀬を人に見られて浮名が立ったことを悔やんだ大嬢ですが、こちらの歌では「私の恋の浮名はいくら立ってもかまいませんが、あなたの浮名が立つのは悔しくて仕方がありません。」と、自身はいいとして家持の浮名が立ってしまったことの悔しさを訴えています。
この時代、男の名は武勇と共に語られるのを理想とし、その名が恋の浮名として立つことは非常に恥ずかしいことと意識されていました。
ですから、大嬢も家持の立場を思って悔しくて仕方がなかったのでしょうね。
ましてや家持は武門の名門、大伴家の嫡男でもありましたから…
そんな自分が大切に思う男性が自分との恋の浮名でその名を落としてしまう大嬢の悔しさが、よく表れている一首のように思います。
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万葉集巻四
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県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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