万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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吾妹子(わぎもこ)が形見(かたみ)の衣下(ころもした)に着(き)て直(ただ)に逢(あ)ふまでわれ脱(ぬ)かめやも

巻四(七四七)
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愛しい君の形見の衣を肌に着けて、直接お逢いする日まで脱ぐことなどあるでしょうか。
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この歌も巻四(七四一)の歌などと同じく、大伴宿禰家持(おほともすくねやかもち)が大伴坂上大嬢(おほとものさかのうへのおほをとめ)に贈った十五首の恋歌うちのひとつ。
「形見」とはこの場合は相手の生死にかかわらず、相手を思い出させてくれる形あるもののこと。
先の巻四(七四六)の歌で、大嬢から苞(つと)を贈られて喜んだ家持でしたが、その中身がこの衣だったのでしょう。
「愛しい君の形見の衣を肌に着けて、直接お逢いする日まで脱ぐことなどあるでしょうか。」と、ここでもその喜びを素直に詠っています。
形見の衣を肌に着けることで愛しい大嬢をずっとそばに感じていられるような、そんな喜びを家持は感じていたのでしょうね。
素直な喜びの気持ちのいい一首のように思います。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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