万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

スポンサード リンク


夜のほどろ出でつつ来(く)らく遍多(たびまね)くなればわが胸截(た)ち焼くごとし

巻四(七五五)
--------------------------------------------
夜の明け方に帰って来ることが重なると、私の胸は切り裂かれ焼かれるかのようです。
--------------------------------------------

この歌も巻四(七四一)の歌などと同じく、大伴宿禰家持(おほともすくねやかもち)が大伴坂上大嬢(おほとものさかのうへのおほをとめ)に贈った十五首の恋歌うちのひとつ。
「夜の明け方に帰って来ることが重なると、私の胸は切り裂かれ焼かれるかのようです。」との、この歌もまた先の巻四(七五四)の歌と同じく、大嬢との逢瀬の後のひとりきりの帰宅の辛さを詠った一首ですね。
逢瀬を重ねれば重ねるほど、別れてひとり帰らねばならない辛さに家持は何度も胸が切り裂かれて焼かれるような苦しさを感じたのでしょう。
それはきっと後に残された大嬢も同じだったのでしょうね。
この後、二人は婚姻し正式な夫婦となりますがそれはまだもうしばらく先の話です。

以上、家持が大嬢に贈った十五首の恋歌でした。


スポンサード リンク


関連記事
万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

万葉集入門(トップページ)へ戻る

当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)


スポンサード リンク


欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中

Amazon.co.jp - 通販