万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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遠くあらばわびてもあらむを里近く在(あ)りと聞きつつ見ぬが術(すべ)なさ

巻四(七五七)
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遠くに居るのなら寂しさも我慢しますが、わが里の近くに居ると聞きながら逢えないのが術ない思いです。
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この歌も先の巻四(七五六)の歌と同じく、大伴田村大嬢(おほとものたむらのおほをとめ)が異母妹の大伴坂上大嬢(おほとものさかのうへのおほをとめ)に贈った四首の歌のうちの一首。
「遠くに居るのなら逢えないのも仕方がないと寂しさも我慢しますが、わが里の近くに居ると聞きながら逢えないのが術ない思いです。」と、妹の坂上大嬢に逢えないでいる寂しさを訴えています。
姉である田村大嬢が異母妹の坂上大嬢に贈った姉妹の相聞歌ですが、まるで恋人へ贈る恋歌のような愛おしさも感じられますね。
この時代の、人が人を思う慕情とはこのように深いものがあったのでしょう。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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