万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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紀女郎(きのいらつめ)の家持に報(こた)へ贈れる歌一首

言出(ことで)しは誰(た)が言(こと)なるか小山田(をやまだ)の苗代水(なはしろみづ)の中淀(なかよど)にして

巻四(七七六)
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初めに声をかけて来たのはどなたでしたか。山の田の苗代の水のように途中で淀んだりして…
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この歌は大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)が紀女郎(きのいらつめ)に贈った先の巻四(七七五)の歌に紀女郎が答えた返歌。
「言出しは誰が言なるか」とは、最初に声をかけて口説いてきたのはどなたでしたか?の意味。
「小山田」の「小」は美称。
そんな「あなたからから口説いてきた恋なのに山の田の苗代の水のように途中で淀んだりして…」と、川から引いた山の田の水のように家持の来訪が淀んだことを責める一首ですね。

まあ、もちろんこの歌もほんとうに家持を責めているわけではなく恋歌の形をとった戯れの一首なわけですが、上の句の部分の最初に声をかけたのが家持であったというのはあるいは二人が交流を始めたときの事実を詠ったものであったのかも知れませんね。
そんな事実と虚構の恋が入り混じったような、なんとも素敵な相聞歌のように思います。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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