万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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わが屋戸(やど)の草(くさ)の上(うへ)白く置(お)く露(つゆ)の命も惜(を)しからず妹(いも)に逢はずあれば

巻四(七八五)
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わが家の庭の草の上に置く白露のようにこの命が消え去っても惜しくもありません。あなたに逢わずにいるぐらいなら…
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この歌も巻四(七八三)の歌などと同じく、大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)が娘子(をとめ)に贈った三首の恋歌のうちの一首。
「わが家の庭の草の上に置く白露のようにこの命が消え去っても惜しくもありません。あなたに逢わずにいるぐらいなら…」と、この歌でも娘子に逢えずに居るぐらいなら死んだほうがましだとの切ない思いを草露に譬えて詠っています。

この娘子については家持が作りだした歌の上での架空の人物であったと思われますが、それにしてもこの歌の恋心には戯れの歌とは思えない切実さが感じられますよね。
あるいは家持の中にはやはりこの歌の下地となった実際の恋の悩みがあったのかも知れませんね。
自分がいくら相手を愛しく思っても恋が成就すると限らないのは、今も昔も変わらぬ恋愛の悲しさなのでしょう。

以上、大伴家持が娘子に贈った三首の相聞歌でした。


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万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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