万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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夢(いめ)のごと思ほゆるかも愛(は)しきやし君が使の数多(まね)く通(かよ)へば

巻四(七八七)
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夢のように思えます。親愛なるあなたの使いがしばしば通ってくださると…
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この歌も先の巻四(七八六)の歌と同じく、藤原朝臣久須麿(ふじはらのあそみくすまろ)からの娘への求婚に、娘の父である大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)が答えて贈った三首の歌のうちの一首。
この久須麿からの求婚は藤原家と大伴家との結びつきを強めたいとの意図からの政略的な申し出だったろうと推測できますが、大伴家にとっても必ずしも悪い縁談ではなく家持もずいぶんと決断に迷ったようです。

「夢のように思えます。親愛なるあなたの使いがしばしば通ってくださると…」との、この返歌も言葉の上だけのお世辞ではなくおそらく家持の本心でもあったはずです。
ただ、光明皇后の縁戚でもある藤原家との結びつきは強めておきたいけれども、まだ恋も知らない幼い娘に政略結婚させるのは忍びない…
自身が恋愛の切なさとすばらしさを誰よりもよく知っている家持だからこそ、娘の未来の恋を奪うようなことをするのはやはりつらくて決心がつかなかったのでしょうね。


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万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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