万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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また家持の藤原朝臣久須麿に贈れる歌二首

情(こころ)ぐく思ほゆるかも春霞(がすみ)たなびく時に言(こと)の通へば

巻四(七八九)
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心が内にこもる感じがします。春の霞のたなびく時にお言葉をいただくと…
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この歌も巻四(七八六)の歌などと同じく、藤原朝臣久須麿(ふじはらのあそみくすまろ)からの娘への求婚に、娘の父である大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)が答えて贈った一首。
「春の霞」はこの場合は実景でなく、久須麿からの求婚に悩んですっきりとしない心情を譬えたもの。
久須麿からのさらなる求婚の歌でも贈られてきたのでしょうか。
「心が内にこもる感じがします。春の霞のたなびく時にさらにお言葉をいただくと…」と、悩ましい親心を素直に伝えた一首ですね。
娘への求婚に応じる決心もつかず、かと言って断る決心もつかない…

そんな父親としての家持の悩ましい心情がよく表れている一首のように思います。


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万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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