万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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反歌

常盤(ときは)なすかくしもがもと思へども世の事なれば留(とど)みかねつも

神亀五年七月二十一日、嘉摩(かまの)郡にして撰定す。筑前国守山上憶良

巻五(八〇五)
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岩石のごとく永久に変わらずありたいと思うけれどこの世の中のことは留めることが出来ないよ。
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この歌は山上憶良(やまのうへのおくら)世の無常を嘆いて詠んだ歌で、先の巻五(八〇四)の長歌に付けられた反歌です。
左注の「撰定す」は「決定稿を作る」の意味。
「常盤(ときは)」は常に変わらない岩石のこと。

そんな「岩石のごとく永久に変わらずありたいと思うけれどこの世の中のことは留めることが出来ないよ。」と、この反歌でも現実の世の留め難い無常さを詠った一首となっています。
いつまでも変わらず若く長生きをしたいとの願いは、現代人だけでなく万葉人もやはり同じなのですね。
逆にいえばそれが叶わないからこそ、今という時がより一層貴重にも感じられるのでしょう。

山上憶良の歌はどこかこじんまりとして雄大さなどはないものの、それゆえに普通の人の普通の暮らしの大切さのようなものを読むものに悟らせてくれるようなそんな気がします。


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万葉集巻五の他の歌はこちらから。
万葉集巻五


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1145円(税別)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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