万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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梅の花咲きたる園の青柳(あをやぎ)は蘰(かづら)にすべく成りにけらずや

少弐粟田(あはたの)大夫

巻五(八一七)
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梅の花の咲いている庭には青柳もまた蘰にほどよくなっていることだ。
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この歌も巻五(八一五)の歌などと同じく、大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)の邸宅で開かれた宴席で詠まれた「梅花(うめのはな)の歌」三十二首の歌のうちのひとつ。
少弐粟田大夫(せうにあはたのだいぶ)は粟田人上(あはたのひとかみ)のこと。
青柳は「シザレヤナギ」。

紀男人や小野老の歌を受けてこちらでは梅の花の咲いている庭に伸びた青柳(シザレヤナギ)に目を転じています。
蘰(かづら)はつる草などを頭飾りにしたもので元来は植物の生命力を授かろうとしたものすが、「梅の花の咲いている庭には青柳もまた蘰にほどよくなっていることだ。」とは、青柳をそんな蘰にして巻き付け、皆で宴を楽しもうとの意味なのでしょうね。

梅の花の華やぎと、長寿を連想させるような長く伸びた青柳の見事な様を同時に詠った、これも宴の席の目出度い一首となっています。


青柳(シザレヤナギ)。


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万葉集巻五


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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