万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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世の中は恋繁(しげ)しゑやかくしあらば梅の花にも成らましものを

豊後守大伴(とよのみちのしりのかみおほともの)大夫

巻五(八一九)
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世の中は恋に苦しむことが多いなあ。それならいっそ梅の花にでもなってしまいたいものです。
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この歌も巻五(八一五)の歌などと同じく、大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)の邸宅で開かれた宴席で詠まれた「梅花(うめのはな)の歌」三十二首の歌のうちのひとつ。
豊後守大伴丈夫(とよのみちのしりのかみおほとものだいぶ)については誰なのかはっきりとしないようですが、おそらくは大伴三依(おほとものみより)のことでしょうか。

歌の内容としては「世の中は恋に苦しむことが多いなあ。それならいっそ梅の花にでもなってしまいたいものです。」と、恋に思い悩んで苦しむぐらいなら美しく咲いて散る目の前の梅の花になりたいものだとの思いを詠った一首ですね。
つまりは目の前の梅の花がそれほどまでに美しく咲いていると誉め称えているわけです。

ただ、もしこの豊後守大伴丈夫が大伴三依であったのなら、この一年ほど前に長屋王(ながやのおほきみ)が謀反の罪で自害に追い込まれたことで、長屋王の娘の賀茂女王(かものおほきみ)と恋仲にあった三依はその恋愛関係についてそうとうに悩んでいただろうと思われます。
そんな背景を考えて詠むと、あるいはこの歌も単なる眼前の梅の花を誉める歌ではなく、三依の心の底からの思いであったのかも知れませんね。


梅の花にも成らましものを…


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万葉集巻五


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万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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