万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
梅の花咲きたる庭の青柳を蘰(かづら)にしつつ遊び暮さな
少監土氏百村(せうげんとしのももむら)
巻五(八二五)
-----------------------------------------------
梅の花が咲いている庭の青柳を蘰にして一日を遊び暮らそう。
-----------------------------------------------
この歌も大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)の邸宅で開かれた宴席で詠まれた「梅花(うめのはな)の歌」三十二首の歌のうちのひとつで、第二集団の三番目の歌。
少監(せうげん)は大宰府の三等官で従六位上相当。
土氏百村(としのももむら)は、土師百村(はにしのももむら)のことでしょうか。
歌の内容は「梅の花が咲いている庭の青柳を蘰にして一日を遊び暮らそう。」といった感じで、宴を盛り上げる一首となっています。
これはおそらくは第一集団の三番目の巻五(八一七)の歌で粟田大夫(あはたのだいぶ)が「梅の花の咲いている庭には青柳もまた蘰にほどよくなっていることだ。」と詠ったのを念頭に置いて詠んだものなのでしょうね。
この第二集団の歌のいくつかは土氏百村のこの歌のように第一集団が詠んだ内容を受けて詠むことで歌に深みを出し、一座の連帯感を深めるような内容になっているように感じられます。
土氏百村の詠うこの歌を聞いた一座の人々もきっと、粟田大夫の巻五(八一七)の歌を思い出して二人の歌の共演に喝采したことでしょう。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻五の他の歌はこちらから。
万葉集巻五
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販