万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
かくのみや息衝(いきづ)き居らむあらたまの来経往(きへゆ)く年の限(かぎり)知らずて
巻五(八八一)
-----------------------------------------------
このようにため息ばかりついているのでしょうか。新年がやって来てはまた去って行く日々を際限も無く
-----------------------------------------------
この歌も先の巻五(八八〇)の歌と同じく、大宰府から奈良の都へ帰ることになった大伴旅人(おほとものたびと)に、山上憶良(やまのうへのおくら)が贈った三首の歌のうちのひとつ。
巻五(八八〇)の歌で「天のように遠い田舎に五年も住み続けて都の風習も自然に忘れてしまいました」とその任期の長さを嘆き奈良の都への郷愁を訴えた憶良でしたが、こちらでも続けて「このようにため息ばかりついているのでしょうか。新年がやって来てはまた去って行く日々を際限も無く」と心の中の弱音を晒しています。
憶良にとっても旅人の奈良への帰京は目出度く喜ばしいことでしたが、その旅人の帰京が決まったことで奈良の都への郷愁がますます募って来たのでしょう。
これらの憶良が旅人に贈った歌は私信の歌であり本来は表に出ることは想定していなかったのかも知れませんが、それゆえに憶良の人間らしさがよく出ていて興味深いですよね。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻五の他の歌はこちらから。
万葉集巻五
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1145円(税別)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販