万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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反歌二首

沖つ島荒磯(ありそ)の玉藻潮干(しほひ)満ちてい隠(かく)りゆかば思ほえむかも

巻六(九一八)
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沖つ島の荒磯に生える玉藻は、やがて潮が満ちて隠れてしまったなら偲ばれるだろうなあ
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この歌も聖武天皇(しやうむてんわう)が紀伊国(きのくに)に行幸された時に山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)が詠んだもので、先の巻六(九一七)の長歌につけられた二首の反歌のうちのひとつ。
長歌のほうでも沖つ島の「潮が引けば美しい藻を刈り…」とその玉藻を褒め称えていますが、こちらの反歌でも「沖つ島の荒磯に生える玉藻は、やがて潮が満ちて隠れてしまったなら偲ばれるだろうなあ」と、そんな玉藻が潮が満ちて見えなくなってしまったら残念だろうと詠っています。

逆にいえばそれだけ沖つ島の藻の美しさとその生命力のすばらしさを讃えているわけですが、これも玉藻を褒めることで玉津島の土地そのものを褒め、土地の神の加護を得ようとしている一首なわけですね。


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万葉集巻六


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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