万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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反歌一首

朝凪(あさなぎ)に梶(かぢ)の音(おと)聞ゆ御食(みけ)つ国野島(のしま)の海人(あま)の船にしあるらし

巻六(九三四)
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朝凪に梶の音が聞こえるよ。天皇に御食事を献上する野島の漁師の船であるらしい。
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この歌も山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)が聖武天皇(しやうむてんわう)の難波行幸に従駕した時の歌で、先の巻六(九三三)の長歌につけられた反歌です。
「御食(みけ)つ国」は、天皇に食料を奉る国のこと。

歌の内容は「朝凪に梶の音が聞こえるよ。天皇に御食事を献上する野島の漁師の船であるらしい。」と、そんな野島の漁師たちが天皇に献上する鰒を取るために船を出している梶の音を詠った一首となっています。
まあ、「梶の音が聞こえる」というのは歌の上での常套句であり、実際には献上品の鰒から想像を広げて詠まれた歌なのでしょうね。
とはいえ、宮廷歌人にこう詠われることによって、野島の漁師たちが漁をする船の情景が梶の音とともに目の前に現れるようなそんな感覚を覚えさせられる一首ですよね。


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万葉集巻六の他の歌はこちらから。
万葉集巻六


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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