万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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三諸(みもろ)つく三輪山見れば隠口(こもりく)の始瀬(はつせ)の檜原(ひばら)思ほゆるかも

巻七(一〇九五)
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神として祭る三輪山を見るとそれに続く隠口の始瀬の檜の原が思い出されるよ
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この歌も万葉集巻七の「山を詠める」に分類された歌のうちのひとつで作者は不明となっています。
「三諸(みもろ)」は巻七(一〇九三)の歌でも出てきたように神の降臨する森のことで、この場合は三輪山にかかる枕詞として使用されています。
三輪山(みわやま)は奈良県桜井市にある山。

「始瀬(はつせ)」は奈良県桜井市初瀬。
「隠口(こもりく)の」は始瀬にかかる枕詞です。

歌の内容は「神として祭る三輪山を見るとそれに続く隠口の始瀬の檜の原が思い出されるよ」と、三輪山を見たことでその後ろにつづく初瀬の檜の原を思い出し懐かしむ心情を詠った一首となっています。
つまりは、初瀬の檜(ひのき)の原をまた見たいものだ、との土地を讃めた歌なわけですね。

「始瀬の檜原」は初瀬の地の檜の原のことで、現在では杉の植林がほとんどで檜は少なくなっているようですが、かつては「三輪の檜原」や「巻向の檜原」などとともに有名だったようですね。
この歌もまた、そんな始瀬の檜原の地を誉め讃えて詠んだ土地讃めの呪術歌なのでしょう。


奈良県桜井市金屋の初瀬川畔にあるこの歌の石板歌碑。



歌碑は金屋の海石榴市跡、初瀬川畔に埋め込まれてあります。



桜井市金屋の海石榴市(つばいち)跡から見た三輪山(写真左)。
三輪山から続く写真右奥の山並みがかつての初瀬の檜原でしょうか。
この周辺の土地は、三輪山を始め神々の降臨する神聖な土地として万葉人に認識されていたようです。


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万葉集巻七


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万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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