万葉集入門
現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
宇治川に生(お)ふる菅藻(すがも)を川早み取らず来にけり土産※1(つと)にせましを
※1:「土産」は原文では「果」の下に「衣」。
巻七(一一三六)
-----------------------------------------------
宇治川に生える菅藻を水の流れが早いので取らずに来てしまった。土産にしたかったのに
-----------------------------------------------
この歌も先の巻七(一一三五)の歌と同じく、「山背(やましろ)にして作れる」と題された歌の一首で作者は不明となっています。
「菅藻」は管のようにのびる藻でしょうか。
歌の内容はそんな「宇治川に生える菅藻を水の流れが早いので取らずに来てしまった。土産にしたかったのに」と、宇治川の流れが早いので菅藻を取らずに来てしまった後悔を詠った一首となっています。
「藻を取る」とはもちろん食用の藻なのでしょうが、これは雄大な宇治川の藻の生命力を授かる意味もあるのでしょうね。
まあ、この歌も実際には藻を取れなかったことを悔いているというよりは、「土産に出来ずに残念だ」と詠うことで宇治川を褒める土地讃めの意図で詠まれた一首のように思えます。
京都府宇治市を流れる宇治川。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻七の他の歌はこちらから。
万葉集巻七
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販