万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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ちはや人(ひと)宇治川波を清(きよ)みかも旅行く人の立ちかてにする

巻七(一一三九)
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勢い激しい人の宇治川の波が清いからか旅行く人が立ち去りかねているよ
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この歌も巻七(一一三五)の歌などと同じく、「山背(やましろ)にして作れる」と題された歌の一首で作者は不明となっています。
「ちはや人」は「勢いが激しい人の氏(うぢ)」の意味で、同音で「宇治(うぢ)」に懸る美称の枕詞となっています。

そんな「勢い激しい人の宇治川の波が清いからか旅行く人が立ち去りかねているよ」と、宇治川の清らかな波に見とれて旅人が立ち去りかねた様子を詠った一首ですね。
「旅人が」と詠ってはいますが、おそらくこの歌の作者自身もまた旅人で、あるいは自身の姿を第三者の目で詠ったものでしょうか。
どちらにしても宇治川の清らかさを讃えた一首であり、この歌も旅人が宇治の地を賞讃した土地讃めの一首といえるでしょう。

以上、「山背(やましろ)にして作れる」に分類された四首の歌の解説でした。


京都府宇治市の平等院前の宇治川。
平等院の前には中の島という細長い中州の公園があり、その中の島を介して橋で宇治川の対岸に渡れるようになっています。



宇治といえば平等院が有名ですよね。
まあ、万葉集の時代にはまだ創建されていませんでしたが^^;


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万葉集巻七の他の歌はこちらから。
万葉集巻七


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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