万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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あしひきの山桜花日並(けなら)べてかく咲きたらばいと恋ひめやも

巻八(一四二五)
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あしひきの山の桜花が何日もこのように咲くのならどうして待ち望むことがあるだろう
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この歌も先の巻八(一四二四)の歌と同じく、山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)の詠んだ春の歌四首の内のひとつです。
「あしひきの」は「山」にかかる枕詞。
歌の内容はそんな「あしひきの山の桜花が何日もこのように咲くのならどうして待ち望むことがあるだろう」と、待ち望んでいた満開の桜花に出会えた喜びを詠うと同時にまたすぐに散ってしまうだろう名残惜しさも訴えています。

わずかな期間に咲きほこり、潔く散っていく桜花に心を惹かれるのは現代人だけでなく万葉人も同じだったのでしょうね。
万葉集では桜よりも梅の花のほうが多く詠まれているとよく指摘されますが、実際にはこの歌のように桜を詠んだ歌も多く、単に「花」と表現されている歌の中にも桜のことを詠っているものがあるのだとも言われています。
そんな万葉人も愛した桜の花への思いが素敵に表現されている山部赤人の一首ですよね。


桜花。
現在では桜と言えばソメイヨシノが有名ですが、万葉集の時代の桜はヤマザクラのことのようですね。
万葉集には桜よりも梅のほうが多く詠まれていますがこれは当時大陸からもたらされた梅を貴族が好んだからで、一般の民衆にはやはり桜花が好まれていたようです。


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万葉集巻八の他の歌はこちらから。
万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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