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万葉集入門
万葉集入門
現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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明日(あす)よりは春菜摘(はるなつ)まむと標(し)めし野(の)に昨日(きのふ)も今日(けふ)も雪は降りつつ

巻八(一四二七)
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明日からは春菜を摘もうと印をした野なのに昨日も今日も雪が降り続けるよ
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この歌も巻八(一四二四)の歌などと同じく、山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)の詠んだ春の歌四首の内のひとつです。
歌の内容は「明日からは春菜を摘もうと印をした野なのに昨日も今日も雪が降り続けるよ」と、雪が降り続けているために春菜を摘みに行けないことを残念がっている一首となっています。

野に印をするとは、朝廷の禁野として民が立ち入って春菜を摘むのを禁止する印でしょうか。
だとするとこの春菜摘みは朝廷の行事であったのかも知れませんね。
巻八(一四二四)の歌のすみれの他、ヨメナの新葉など万葉時代の人々は野の春の草花を摘んで食用に利用していたようですが、朝廷の春菜摘みの行事には新たな季節の到来を祝うとともに植物の新葉を体内に入れることによって長寿を得ようとする呪術的な意味合いもあったようです。

雪によって延期されている状況とはいえ、この歌もまたそんな春菜摘みを朝廷の官人である赤人の視点で詠んだ興味深い一首のように思います。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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