万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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うちのぼる佐保の川原の青柳は今は春べとなりにけるかも

巻八(一四三三)
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さかのぼって見る佐保の川原の青柳はすっかりと春の風情になったことだなあ
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この歌も先の巻八(一四三二)の歌と同じく、大伴坂上郎女(おほとものさかのうへのいらつめ)が詠んだ二首の柳の歌のうちのひとつ。

巻八(一四三二)の歌と同じくこちらの歌もまた佐保での宴の席で詠まれたもののようですね。
歌の内容は「さかのぼって見る佐保の川原の青柳はすっかりと春の風情になったことだなあ」と、佐保川の柳の春の青々とした風情を詠った一首となっています。
「うちのぼる」は「佐保」にかかる枕詞。

こちらの歌は、あるいは宴席で見た実景を詠ったものだったのかも知れませんね。
たしかに春の青々とした柳の若葉が風に揺れる様は、見ているだけでも若々しい力を与えてくれるような気持ちにさせてくれますよね。

そんな青柳の美しさに新しい季節の到来を感じて喜ぶ、万葉人らしい繊細で素朴な感性がよく表れている一首のように思います。


奈良市法蓮立花町の佐保川のほとりにあるこの歌の歌碑。



歌の内容そのもののように柳の木の下に立っています。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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