万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
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(解説:黒路よしひろ)

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大伴宿禰家持の春の雉(きぎし)の歌一首

春の野にあさる雉(きぎし)の妻恋(つまごひ)に己(おの)があたりを人に知れつつ

巻八(一四四六)
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春の野に餌をあさる雉は妻を恋いて鳴いては自分の居場所を人に知られてしまって…
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この歌は大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)が春の雉(きぎし)を詠った一首です。
「雉(きぎし)」は現代の鳥の雉(きじ)のこと。
この歌もまた、巻八(一四四一)の歌と同じく、大伴家持のもっとも初期の頃の歌のようですね。

歌の内容は「春の野に餌をあさる雉は妻を恋いて鳴いては自分の居場所を人に知られてしまって…」と、春の野で妻を恋しがって鳴く雉の声を詠っています。
これは妻を求めて鳴く雉に自身の姿を重ねて見ると同時に、妻恋しさゆえに猟師に自分の居場所を知られてしまう雉の身を案じての歌でもあるのでしょうね。

大伴家持は音に敏感な歌人であった(僕はこれは山部赤人の歌から学んだのかとも思いますが)とも言われますが、初期の頃に詠まれたこの歌からもすでにその傾向が感じられるのは興味深いところですよね。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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