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万葉集入門
万葉集入門
現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大宰師大伴卿の和(こた)へたる歌一首

橘の花散る里の霍公鳥片恋しつつ鳴く日しそ多き

巻八(一四七三)
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橘の花の散る里で霍公鳥は花に片思いをして鳴く日が多いことだ。
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この歌は石上堅魚(いそのかみのかつを)が詠んだ先の巻八(一四七二)の歌に、大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)が答えて詠んだ一首です。
大宰師大伴卿(だざいのそちおほとものまへつきみ)とは大宰府の長官である大伴旅人のこと。
橘(たちばな)は蜜柑類の総称。

旅人の妻の大伴郎女(おほとものいらつめ)が病に伏して亡くなったのを弔うために大宰府に派遣された石上堅魚が「霍公鳥がやって来ては鳴き声を響かせているよ。卯の花の咲くのとともにやって来たのかと問いたいものだなあ。」と詠ったのに対して、こちらでは「橘の花の散る里で霍公鳥は花に片思いをして鳴く日が多いことだ。」と答えています。

石上堅魚の歌では暗に、亡くなった大伴郎女のことを霍公鳥に譬えて詠っているようにも読めましたが、こちらの旅人の歌もまた散ってゆく橘の花を大伴郎女に、霍公鳥を旅人自身に譬えて亡くなった大伴郎女を思って旅人が片思いに泣く日が多いのだとも読めますね。
旅人は霍公鳥の鳴き声に自身の泣く姿を重ねて見たのではないでしょうか。
石上堅魚の歌とは花と霍公鳥の関係が逆になっていますが、どちらの歌も表向きはあくまで花と霍公鳥を詠んだ歌なので、花と霍公鳥のどちらに大伴郎女を譬えるかは大した問題ではないのでしょう。

おそらくは日々の実景であっただろう散って行く橘の花と霍公鳥の鳴き声が織りなす景色の中で、妻を失った旅人の悲しみの心を感じ取ることが出来ればこの歌に込められた旅人の思いに近づけたと言えるのではないでしょうか。


橘の花。



夏になると開花した橘の花の匂いが風に運ばれて遠くまで香ってきます。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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