万葉集入門
現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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秋萩は咲くべくあるらしわが屋戸(やど)の浅茅(あさぢ)が花の散りぬる見れば
巻八(一五一四)
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秋萩の咲くべき時になったらしい。私の家の浅茅の花が散ってしまったのを見ると
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この歌も先の巻八(一五一三)の歌と同じく、穂積皇子(ほづみのみこ)が詠んだ二首の歌のうちのひとつです。
「浅茅(あさぢ)」は植物のチガヤのこと。
「萩(はぎ)」は秋の代表的な花で、万葉集の時代にはとくに好まれた花だったようですね。
そんな「秋萩の咲くべき時になったらしい。私の家の浅茅の花が散ってしまったのを見ると」と、こちらの歌では浅茅の花が散ったことによって秋萩が咲く季節の到来を知った内容の歌となっています。
まあ、取り立てて個性というほどのものはないものの、この歌もまた季節の移り変わりに敏感な万葉人の繊細な感性がよく表れている一首ですよね。
春日大社神苑(植物園)の秋萩。
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万葉集巻八
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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