万葉集入門
現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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今朝の朝明(あさけ)雁が音(ね)寒く聞きしなへ野辺(のへ)の浅茅(あさぢ)そ色づきにける
巻八(一五四〇)
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今朝の夜明けに雁の鳴き声を寒々と聞いたと同時に野辺の浅茅も色づいたことだなあ
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この歌も先の巻八(一五三九)の歌と同じく、聖武天皇(しやうむてんわう)の詠まれた二首の御製歌のうちのひとつ。
「浅茅(あさぢ)」は植物の「チガヤ」のこと。
歌の内容は「今朝の夜明けに雁の鳴き声を寒々と聞いたと同時に野辺の浅茅も色づいたことだなあ」と、巻八(一五三九)の歌の雁の鳴き声に続いて浅茅の黄葉によってもまた秋の到来を知ったとの一首ですね。
これは秋の到来を告げる雁の鳴き声によって浅茅が黄葉したとも取れるでしょうか。
そんな季節の移り変わりに敏感な万葉人の感性が見て取れる一首でもありますね。
平城京第一次大極殿。
平城京大極殿の玉座(復元)。
この玉座に聖武天皇も座られていたのでしょう。
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万葉集巻八
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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