万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

スポンサード リンク


高円(たかまと)の野辺(のへ)の秋萩(あきはぎ)いたづらに咲きか散るらむ見る人無しに

巻二(二三一)
-----------------------------------------------
高円山の野のほとりの秋萩は空しく咲き散っているだろうか、見る人もいなくなったいまも。
-----------------------------------------------

この歌も志貴皇子(しきのみこ)が亡くなったときに詠まれた挽歌で、先の巻二(二三〇)の長歌に付けられた反歌のうちのひとつ。
やはり作者は笠金村(かさのかなむら)かと思われます。

志貴皇子の邸宅は現在の百毫寺にあったとも言われ、百毫寺の山門から境内に続く長い階段の両脇にはいまも綺麗な秋萩が咲くことで有名です。
「高円山の秋萩は空しく咲き散っているだろうか。志貴皇子が亡くなって誰も見なくなったいまも…」とは、なんとも寂しい歌ですが、秋に咲く萩の花の涼やかさがまるで志貴皇子の人柄そのもののようにも感じられて皇子を知る人々の悲しみをさらに誘うものになっているように思います。


奈良にある百毫寺(びゃくごうじ)。
百毫寺は志貴皇子の邸宅跡だとも言われています。
秋には山門から境内へ続く石段横を埋め尽くす萩の花で有名です。
(この写真は時期外れで萩の花は咲いてませんが^^;)



百毫寺境内にあるこの歌の歌碑。



歌碑の解説。


スポンサード リンク


関連記事
万葉集巻二の他の歌はこちらから。
万葉集巻二


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

万葉集入門(トップページ)へ戻る

当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2014 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)


スポンサード リンク


欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中

Amazon.co.jp - 通販