万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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降(ふ)る雪はあはにな降りそ吉隠(よなばり)の猪養(ゐかひ)の岡の寒からまくに

巻二(二○三)
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降る雪はそんなに積もらないでくれ吉隠の猪養の岡に眠っている但馬皇女が寒いだろうから
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この歌は、但馬皇女が亡くなった後、恋人だった穂積皇子が但馬皇女を偲んで詠んだ歌です。
但馬皇女と穂積皇子の悲恋物語については、巻二(一一四) 〜 (一一六)までの歌で解説しているのでまたそちらもあわせて読んでみてください。

さて、この歌の内容は解説するまでもありませんね。
降り積もる雪に、吉隠の猪養の岡のお墓に眠る但馬皇女が寒いだろうからそんなに降らないでくれと詠いかけているわけですが、現代人にも共感できるなんともいえない切ない愛情を感じさせてくれる一首といえるのではないでしょうか。

但馬皇女が眠っている吉隠の猪養の岡はいまははっきりとした場所が分かりませんが、奈良県桜井市の吉隠公民館あたりから見渡せる岡のどこかでしょうか。
吉隠公民館にはこの歌の歌碑が建っています。


奈良県桜井市吉隠にある吉隠公民館。



吉隠は国道165号線を長谷寺から三重方面に向かった榛原の手前にあります。
非常に小さな集落ですが、「吉隠」との標識があるので近くを通ればすぐに分かるでしょう。
歌碑のある吉隠公民館は少し分かりにくい場所ですが、国道165号線沿いにある吉隠柳口バス停の手前の坂道(車でも入れます)を登ったところにあります。

僕は最初、道に迷ってもうひとつ先のさらに狭い坂道を登ってしまいましたが、そこの住民の方が親切に教えてくださったのでなんとか辿り着けました^^;


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万葉集巻二の他の歌はこちらから。
万葉集巻二


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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