万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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うらさぶる情(こころ)さまねしひさかたの天(あめ)のしぐれの流らふ見れば

巻一(八二)
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さびしさが心を埋め尽くすようです。遥か遠い天から流れる村雨を見ていると…
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この歌も伊勢の斎宮への遣いとして派遣された時に長田王(をさだのおほきみ)が山辺の御井で詠んだとされる歌のうちのひとつ。
ただし、次の巻一(八三)の歌の後に付けられた注釈によると、どうもこの歌と巻一(八三)の歌の二首は、山辺の御井での作ではなく古歌をこのときの長田王の心情に等しいものとして誦したのではないかとのことです。
おそらくは伊勢の旅先で降ってきた雨を見て、過去に詠んだこの歌を思い出し誦したのでしょうね。

無粋な訳を付けましたが、もとの歌を一度口ずさんでいただければその「調べ(リズム)」の物悲しさが読み手の心の中をも埋め尽くすような、そんな静かな力を秘めた歌であることがよく分かるかと思います。
先の巻一(八一)の歌とは打って変わって、後の世に風流者の筆頭に数えられる長田王らしい繊細さがよく出ている一首ですね。


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万葉集巻一


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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