万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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み立たしし島の荒磯(ありそ)を今見れば生(お)ひざりし草生ひにけるかも

巻二(一八一)
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草壁皇子がかつてお立ちになった庭園の島の荒磯を今見ると、生前には生えていなかった草が生えています。
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この歌も草壁皇子の死を悼んで舎人たちが詠んだ二十三首の晩歌のうちの一首。
冒頭部分は先の巻二(一八一)巻二(一七八)の歌などとおなじですが、おそらく巻二(一八一)の歌に唱和して詠まれた一首でしょう。

「草壁皇子の生前中は美しく手入れされていた庭園の荒磯も、その死後は荒れて草が生えています。」との、皇子への鎮魂と語り掛けの一首ですね。
実際に華やぎを失ってしまったのは島の宮の庭園ばかりではなく、それを見る舎人たち皇子に仕えた人々の心そのものだったのでしょう。
草壁皇子はやがては天皇になると、仕えていた舎人たちの誰もが信じ希望を抱いていたことと思います。
そんな草壁皇子の死は、舎人たちのこころに希望のすべてを失うほどの喪失感と悲しみを与えたのです。


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万葉集巻二


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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