万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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家に来てわが屋を見れば玉床(たまどこ)の外(よそ)に向きけり妹が木枕(こまくら)

巻二(二一六)
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嬬家に来てわが家を見れば愛しい床の外を向いているよ、妻の木枕は。
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この歌も柿本朝臣人麿(かきのもとのあそみひとまろ)が妻の死を哀しんで詠んだ挽歌で巻二(二一三)の長歌に付けられていた反歌の一首。
巻二(二一〇)の長歌では反歌は二首でこの歌は含まれていませんでしたが、おそらくはもともと反歌としてあったこの歌が集録の過程でなんらかの理由で抜け落ちたのでしょう。

この時代、男女の婚姻は男が女のいる家に通う「妻問い婚」と呼ばれる通い婚の形が普通でした。
最初は妻の実家に通い、そして妻の実家の側に嬬屋(つまや)という家を建てて妻をそこに暮らさせるようになってはじめて正式な夫婦であると認められたようです。
この歌に詠まれている家も妻の住んでいた嬬屋のことですね。
そんな嬬屋に戻ってみれば「妻の姿がないどころか妻の木枕まで外を向いている」との、妻の生前とはあまりにも異なった有様に一段と心を落ち込ませた様子が詠われています。

妻と過ごした時間が幸せであればあったほどに、その姿がなくなった家の中は悲しく空しいものとして人麿には感じられたことでしょう。


奈良県桜井市巻向にある朝臣柿本人麿公屋敷跡。
JR巻向駅のすぐ西、農協巻向支店の入り口前にあります。
正直なところここに人麿が住んでいた証拠は何もなくなぜここが人麿の屋敷跡と言われるようになったのかも不明ですが、人麿屋敷跡と伝えられるからには何らかの関係があったのだと僕は信じたいと思います^^;
いや、信じたほうが面白いじゃないですか(笑)
衾道にも近く、ひょっとしたらここにこの歌で歌われている人麿の妻の住む嬬屋があったのかも…


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万葉集巻二の他の歌はこちらから。
万葉集巻二


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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