万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
反歌
ももしきの大宮人(おほみやびと)の飽田津(にきたつ)に船乗(ふなのり)しけむ年(とし)の知らなく
巻三(三二三)
-----------------------------------------------
ももしきの大宮人が飽田津に船乗りした年は、何時なのかわからないほどに遠くなってしまったなあ。
-----------------------------------------------
この歌も伊予(いよ)の温泉を訪れた山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)が詠んだ一首で、先の巻三(三二二)の長歌に付けられた反歌。
「飽田津(あきたつ)」は「熟田津(にきたつ)」と同じで、愛媛県松山市周辺。
「ももしきの大宮人が飽田津に船乗りした年は、何時なのかわからないほどに遠くなってしまったなあ。」と、かつて斉明天皇が飽田津から船で出航される時に額田王(ぬかたのおほきみ)が詠んだ巻一(八)の歌を念頭に置いた歌となっています。
つまりはこの「大宮人(おほみやびと)」も、額田王たちのことなわけですね。
そんな遠い昔から飽田津は由緒ある土地であると詠った、この歌もいわゆる土地讃めの一首なのでしょう。
「年(とし)の知らなく」は「あまりにも遠くてわからない」との意味ですが、現在のわれわれにとっては額田王と同じく過去の人である山部赤人が額田王たちのことをこのように詠っているのもまた面白く思います。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻三の他の歌はこちらから。
万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販